日本経団連が会員企業などを対象に行った調査結果を発表。35歳以下
の正社員数について「不足」(26.5%)、「やや不足」(52.2%)と
感じている企業を合わせると78.7%に上った。
また、フリーターの正社員採用については、「採用しない」とする
企業が24.3%、「採用には消極的だが、経験・能力次第では採用したい」
とする企業が64.0%で、正社員数が不足しているものの、フリーターの
採用には消極的な企業が多いことがわかった。
厚労省は、現在全国均等に配分している地域雇用促進特別奨励金(地
域雇用開発促進助成金)を、雇用の改善が遅れている地域に集中的に
投入できる制度を整備する方針を示した。対象となるのは、有効求人倍率
が長期低迷している北海道、青森県、秋田県、高知県、長崎県、鹿児島県、
沖縄県の7道県。年内にも労働政策審議会が報告書をまとめ、2007年の
通常国会に関連法改正案を提出、2007年度中に実施したい考え。
厚生労働省は、雇用保険の保険料率を景気に連動して機動的に改定でき
るように仕組みを変更する方針を示した。失業者が減少して積立金が増加
しても料率が下がらない現行制度への批判を受けたもので、2008年度から
の実施を目指すとしている。積立金残高が年間支給額の1年分(現行では
2年分)に増えれば法改正なしで料率を下げられるようにする内容。
厚生労働省は、地震・火災・台風などで被害を受け、医療費の支払いが
困難と判断された場合、医療費の自己負担の支払いを減免・猶予できる
制度を、10月から会社員にも導入する方針を示した。現在、国民健康保
険、老人保健では減免制度があるが、政府管掌健康保険、組合健康保険、
船員保険ではなかった。自己負担割合の下げ幅や減免・猶予期間等は
各健康保険の判断で決まるため、健康保険の財政状況によって措置の
内容が異なる可能性がある。
財務省が2005年の地方公務員(全国47都道府県)の給与を調査した結果、
各地域の民間企業の給与(厚生労働省が従業員100人以上の企業を対
象に調査)より平均で21%も高いことがわかった。最も格差が大きかった
青森県では公務員の36.2万円に対して民間は26.3万円と38%の開きがあ
り、最も格差が少なかった東京都では0.7%の開きがあった。
厚生労働省が昨年10月に初めて行った「若年者雇用実態調査」の結果
を発表。30歳未満の正社員の採用を、今後3年間で「増やす」(36.4%)と
する企業が「減らす」(6.1%)とする企業を大幅に上回ることがわかった。
「ほぼ同じ」と回答したのは43.8%だった。特に、運輸業(42.0%)や金融・
保険業(41.3%)などが若手正社員を積極的に増やすとしている。
労働者派遣法等に抵触する「偽装請負」について、2005年度に全国の労
働局が発注側企業や請負業者に対して是正指導を行った件数が974件と
なり、過去最多だった2004年度(639件)を大幅に更新したことが、厚生労
働省の調査でわかった。同省は2年前から企業への立ち入り調査を強化。
悪質な場合は事業改善命令、事業停止命令で対応するとしている。
厚生労働省は、「人口動態統計(速報)」を発表。2006年上半期の出生数
は54万9,255人で、前年同期(53万7,637人)比で1万1,618人増加したことが
わかった。半期ベースの増加は6年ぶりとなる。2006年の出生数が前年を
上回り、合計特殊出生率(女性が一生に産む子供の数の推計)も6年ぶり
に上昇に転じる可能性が出てきた。
厚生労働省は、2008年度から健康保険料の料率上限を年収の10%まで
引き上げる。これは、政管健保8.2%、組合健保3%〜9.5%と定めら
れている現在の料率を共に3%〜10%にするというもので、政管健保
については08年10月からの全国健康保険協会への運営移管、および
その1年後に行われる「都道府県単位での料率設定」を踏まえたもの
となっている。今般の医療制度改革で、08年度から毎年の健康診断と
保健指導が義務付けられたのを受け、健保組合の財源確保を目的とし
た措置といえる。
政府は、パート労働者への厚生年金の適用拡大に関する厚生労働省の
試算を発表した。これによると、サラリーマンの妻(41歳)が月8万
円の賃金で20年働いた場合、保険料負担が月額で約5,700〜7,300円新
たに加わるが、年金受給額は約8,600円増加する。自営業者の妻となる
と、自己負担している保険料(国民年金)が折半となるうえに受給額
が増えることにもなる。政府は早ければ2009年の実施を目指すが、経
済界からの反発は厳しい。
なお、現在のパート労働者数は約1,266万人(2005年)。
企業年金連合会は、10月より「通算企業年金」の予定利率を現行の0.5%
から1.75ポイント引き上げ、2.25%にする方針を決定。日銀のゼロ金利
政策解除などを受けた措置で、加入者が約7,500人と低迷している中、
制度の周知を徹底し加入者の拡大を図る。通算年金は、確定給付企業年
金や厚生年金基金の脱退者らの積立金の受け皿として昨年10月に発足した。
厚年基金などがある企業に再就職した際には積立金を引き継ぐこともできる。
厚生年金や政府管掌健康保険に未加入の適用対象事業所は、昨年度
末時点で6万3,539あることが、社会保険庁の調査で判明した。判明分以
外にも未加入事業所は数多くあるとみられる。同庁は今年度から従業員
15人以上の未加入事業所への立入り検査を強化。職権による強制加入
も行い、悪質な企業に対しては罰則の適用も検討するとしている。
東京都内の人材派遣業者や請負業者が、派遣先や発注元を偽った求人
をハローワークに出していたことが、東京労働局の調べでわかった。今年
3月からの調査だけで500件以上の不正求人が判明。今後は求人申込み
の際に、派遣・請負業者に対し派遣先や発注元との契約書を提出するよう
求めるなど、チェックを強化するとしている。
教育訓練給付金の不正受給が、1999年度の制度創設以降、計3,926件、
総額約6億3,000万円に上ることが、厚生労働省の調査により判明した。
大半のケースは受講者に謝礼を支払う代わりに給付金を回収する組織的
な不正受給。判明分はごく一部にすぎないとみられており、同省は、今後、
給付額の引下げを検討し、チェック体制の強化を図るとしている。
厚生労働省は「2005年度女性雇用管理基本調査」を発表。2004年11月〜
2005年10月の1年間において介護休業を取得した正社員など常用労働者
の割合は0.04%にとどまり、前回調査(2002年度・0.05%)から減少する結果
となった。一方、介護休業の規定を設ける従業員30人以上の事業所は、
前回調査(2002年度・73.2%)から増加して、81.4%となった。