社会保険庁は、「年金時効撤廃特例法案」に基づく時効分の年金の支払いは、受給者による追加支給の申請に基づいて行う方針であることがわかった。法案成立後に具体的な支給方法が決定されるが、支払額通知の際に申請書を同封し、返送してもらう方式などが検討されている。
安倍首相は、年金納付記録漏れ問題について、該当者不明の納付記録の調査を1年以内に終え、領収書がない場合の支給漏れの有無を審査する第三者機関を6月中に設置する考えを示した。また、問題の原因究明や歴代社保庁長官の責任追及のための有識者委員会を、首相官邸主導で設置・運営する考えを示した。
深夜時間帯を中心に運行するツアーバス事業者の約8割で過重労働などの法令違反があったことが、国土交通省が実施した重点監査でわかった。法令に違反して勤務時間が超過していたり、休憩時間が不足していたりしたもので、同省では今後、悪質な業者を中心に営業停止などの重い行政処分を検討するとしている。
厚生労働省は、市場化テストが導入された2005年の評価結果を発表し、就職支援や職業訓練などについての4事業において、民間よりも国のほうが就職率やコストの面でよい結果が出たことがわかった。同省が設置した評価委員会の評価によるもの。
政府は2007年度版「母子家庭白書」を閣議決定し、母子家庭への児童扶養手当の受給者(概数)が2006年度途中(2007年2月末まで)ですでに98万7,450人(前年度比約5万人増)となり、1999年以降8年連続で過去最高を更新することがわかった。離婚の増加などが影響したとみられる。
若者や高齢者、女性などの就業機会の拡大などを目指す改正雇用対策法が参議院本会議で成立した。求人の際の年齢制限の原則禁止、外国人労働者の氏名や在留資格の届出の義務化などが主な内容。今年9月までに施行の予定。
年金時効撤廃特例法案(年金請求権の5年の時効を撤廃、時効以前の不足分も補償)と社会保険庁改革関連法案(2010年に社会保険庁解体、非公務員型の新法人設立)が、1日未明の衆議院本会議において与党の賛成多数で可決された。両法案とも今国会での成立は確実とみられる。
労働関連3法案(労働契約法案、改正労働基準法案、改正最低賃金法案)の今国会成立が困難な見通しとなった。年金時効撤廃特例法案や社会保険庁改革関連法案の審議を優先したためで、政府・与党は、秋に予定されている臨時国会での成立を目指すとしている。
総務省が4月の完全失業率を発表し、前月比0.2ポイント改善して3.8%(男性4.0%、女性3.6%)となり、1998年3月以来の3%台になったことが分かった。また、厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.05倍(前月比0.02ポイント上昇)となった。
政府は、在宅勤務・テレワークを倍増させるための行動計画を発表し、現在は新商品開発や編集などに限定されている在宅勤務者の雇用保険適用業種の拡大を検討していることが明らかになった。また、中小企業100社が参加するモデル事業を今秋にスタートさせ、2007年度中には全省庁でテレワークを試験的に導入することもわかった。
昨年4月施行の改正高年齢者雇用安定法で義務付けた高齢者雇用確保措置について、約98%の企業が何らかの措置を講じていることが労働政策研究・研修機構の調査(質問票を送付した従業員300人以上の民間企業5,000社のうち1,105社が回答)でわかった。制度別では「再雇用制度」が91.3%、「勤務延長制度」が7.7%、「定年引上げ」が2.4%だった。
個別労働紛争解決制度に基づき都道府県労働局が行っている労働相談の2006年度件数が18万7,387件(前年度比6.2%増)となり、過去最高を更新したことが厚生労働省の調査でわかった。相談内容は順に、「解雇」(23.8%、前年度比2.6%減)、「労働条件の引下げ」(12.8%、同2.7%減)、「いじめ・嫌がらせ」(10.3%、同24%増)。また、紛争調整委員会によるあっせん申請も約6,900件(前年度比0.5%増)と増加した。
昨年4月にスタートした労働審判制度における3月末までの労働審判の申立件数が1,163件に上ったことが最高裁判所のまとめでわかった。うち審理が終了したのは919件で、平均審理期間は74.2日だった。申立理由は順に、解雇無効などの「地位確認」(49%)、「賃金」(26%)、「退職金」(7%)で、審理が終了した案件のうち、約7割は調停で解決した。
石綿被害による2006年度の労災認定者数が1,796人となり、前年度(722人)から大幅に増加したことが厚生労働省の調べでわかった。肺ガン790人(前年度219人)、中皮腫1,006人(同503人)だった。また、石綿健康被害の救済法に基づく「特別遺族給付金」について、昨年3月の同法施行から1年間の請求件数は1,453件で、882件に支給決定したと発表した。
労働3法案(労働契約法案・労働基準法改正案・最低賃金法改正案)が、24日の衆議院本会議で審議入りした。しかし、今国会の会期は残り1カ月を切っており、3法案が会期中に成立するかは微妙な状況。