厚生労働省は26日、2023年度にかかった介護保険制度による介護費用(介護給付費と自己負担分)の総額が11兆5,139億円となったことを発表しました。介護保険制度が始まった2000年以来、総額は増加傾向にあり、前年度より約3,227億円(2.9%)上昇して過去最多を更新しています。サービス利用者も前年度より10万7,600人(1.6%)増で、過去最多の663万2,000人となりました。
厚生労働省は25日、自民党プロジェクトチームの会合で国民健康保険や後期高齢者医療制度、介護保険の保険料算定に株式の配当などの金融所得を反映する仕組みの検討案を示しました。現状の確定申告しなければ保険料が減る仕組みに不公平との指摘があり、政府は28年度までに是正について検討するとしています。確定申告していない金融所得の把握方法として、金融機関が国税庁に提出する書類の活用などが挙がっており、健康保険の保険料算定に反映するかも、今後、検討課題にのぼる可能性がある。
厚生労働省は、国民健康保険の保険料の年間上限額を2024年度から2万円引き上げる方針を固めました。近く開く社会保障審議会医療保険部会に提案する予定。上限額の引上げは3年連続。高所得者の保険料を上げることで保険財政の安定をねらうもので、引上げ後の上限額に達するのは年収1160万円以上の世帯で全体の1.35%と推計されます。
政府は、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に移行する方針を巡り、未取得者に発行する「資格確認書」の運用を見直し。上限1年とした有効期間を5年に延長し、マイナ保険証を持たない全ての人に保険者の職権で交付します。現行の健康保険証の廃止時期を2024年秋から延期するかは判断を留保し、関連データの総点検の結果などを踏まえ、改めて検討するとみられます。
2024年秋にも廃止が予定されている健康保険証について、厚生労働省は11日、廃止から1年間は一律で保険証が有効となるよう対策をとる考えを示しました。2025年秋より前に有効期限が切れる国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証について、各保険者に対応を要請する方針です。
マイナンバーカードの健康保険証が窓口で使えず医療費の10割負担を求められる問題で、厚生労働省は、対応策を示しました。8月診療分から、カードで被保険者資格を
確認できず健康保険証が手元にない場合でも「被保険者資格申立書」の記入により窓口負担を本来の負担分とします。あわせて、従来の保険証も持参するよう呼びかけます。医療機関にも、保険資格を確認できなくても保険者への支払い請求ができるなど未収金が生じない措置をとります。
一定以上の収入がある75歳以上の医療保険料を引き上げる健康保険法などの改正案が、12日午前の参院本会議で可決、成立しました。75歳以上も出産育児一時金の財源の一部を負担すること等により現役世代の負担軽減を図ります。改正により75歳以上の約4割が負担増となり、25年度の保険料は年収200万円の人で年3,900円増、年収400万円の人で年14,000円増となる見通しです。
マイナ保険証への一本化に伴い、マイナンバーカード未取得者に発行する「資格確認書」について、政府は無料で発行する方針を固めました。有効期間は最大1年間とし、健康保険法などの関連法改正案を今国会に提出する予定です。
政府は、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の見直しや出産育児一時金の財源を後期高齢者も新たに負担することを盛り込んだ改正案を国会に提出しました。現役世代の負担軽減のため、年金収入が153万円を超える後期高齢者の保険料を収入に応じて引き上げます。今年4月から50万円に増額する出産育児一時金の7%分を後期高齢者医療制度から負担する仕組みとし、今国会での成立をめざしています。
政府は8日、24年秋に予定するマイナ保険証への切替えに伴い、カードを持たない人には被保険者番号や氏名などが記載された「資格確認書」を発行して対応する案を示しました。確認書を使った場合の窓口負担は今と同じにする方針で、発行手数料をとるかは今後詰めます。今の保険証の廃止後も、発行済みの保険証を一定期間使えるような措置も検討し、また、出生届の提出にあわせてマイナカードの申請ができるようにする改正等も盛り込んでマイナンバー改正法案を月内に決定し、今国会に提出する考えです。
政府は27日、出産育児一時金を4月1日から8万円増額し、48万8,000円とする
政令を閣議決定しました。産科医療補償制度の掛金1万2,000円を含めた総額は
50万円となります。
総額の引上げは2009年10月以来で、過去最大の上げ幅です。
社会保障審議会において、フリーランスや自営業者などが加入する国民健康保険について、出産する被保険者に係る産前産後期間相当分(4カ月間)の保険料を免除する案が了承されました。法改正を経て2024年1月の実施を目指すとしています。
厚生労働省は11日、来年4月から出産育児一時金を42万円から47万円に増額する計画に伴い、75歳以上が後期高齢者医療の保険料として7%分を負担する案を示しました。
来年の通常国会での法改正を目指し、後期高齢者医療の保険料改定がある2024年4月から実施する考えです。
厚生労働省は2024年度の介護上の介護保険料保険制度改正で、65歳以について応能負担を強化する方針を固めました。社会保障審議会介護保険部会で31日から議論を開始し、今年末までにまとめることを目指します。なお、サービス利用時の自己負担1割は維持する方向です。
介護保険料を滞納し、市区町村から資産の差し押さえ処分を受けた65歳以上の高齢者が1万9,221人(2018年度)に上り、調査開始の2012年度以降最多となったことが厚生労働省の調査で分かりました。65歳以上が支払う介護保険料の全国平均は月額5,869円(2018〜2020年度。制度開始の2000年度は月額2,911円)。高齢者の多くは年金から保険料が天引きされますが、年額18万円未満の人は、金融機関などで自ら納める必要があります。