厚生労働省は、政府が2009年度までに目指している基礎年金の国庫負担の2分の1(現在は3分の1強)への引上げが同年度以降も実施できない場合、公的年金の財政は2049年に破綻するとする試算結果を発表した。政府は、消費税引上げや赤字国債の発行などによる財源確保を検討している。
社会保険庁は、同庁と市町村の職員による年金保険料や給付金の横領件数が、判明しただけで99件(うち市町村職員によるものは49件)あり、総額で約3億4,274万円(同2億77万円)に上るとする調査結果を明らかにした。舛添厚労相は、「きちんと調査した上でしかるべき対応を取りたい」と話した。
社会保険庁は、該当者が不定となっている「宙に浮いた年金」の記録が今年7月末時点で4,870万9,000件あり、昨年6月1日時点(5,095万1,000件)からわずか4.4%しか減っていないことを明らかにし、基礎年金番号への統合作業があまり進んでいないことがわかった。
2007年3月の新卒者の初任給(事務系)は大卒者が20万5,074円(前年比1,354円増)、短大卒者が17万2,577円(同1,041円増)と大幅にアップしたことが、日本経団連が会員企業などを対象に行った調査でわかった。また、大企業よりも中小企業の大卒初任給が高い(大企業を100とすると中小企業は100.9)ことがわかった。
「年金記録確認中央第三者委員会」は、領収書などの証拠がない人について、新たに11件の年金給付を認定し、これで認定件数は合計で44件となった。また、1件については記録の訂正を認めない決定を下した。不認定となった件数は合計3件目。
東京社会保険事務局は、都内の80代男性の約20年分(1986年12月分〜2007年5月分)の老齢基礎年金約2,474万円が未払いであったと発表した。男性が1990年に社会保険事務所に給付を請求した際に、配偶者加給年金に関して同事務所がいったん加算停止の手続きをしたが、その後も解除されていなかった。今年3月に判明し、7月に全額を支払った。
政府は、企業年金連合会が、転職などで厚生年金基金を中途脱退したり会社の基金が解散したりした人などを対象に2006年度に発送した45万2,000件の通知のうち、約19%に相当する8万5,000件が宛先不明で返却されていたことを明らかにした。通知が未到着の場合、年金請求手続をせずに年金を受給していない可能性が大きい。
総務省が7月の完全失業率を発表し、前月から0.1ポイント低下して3.6%(男性3.7%、女性3.3%)となり、1998年2月以来9年5カ月ぶりの低水準となったことがわかった。また、厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率は前月と同じ1.07倍で、20カ月連続で1倍を超えた。
2003年度から2005年度の間に医療費が過払いになっていたことを政府管掌健康保険と船員保険の加入者に通知していなかった問題で、社会保険庁は、山形・埼玉・神奈川・愛知・鳥取の社会保険事務所職員44名を処分(訓告・戒告・厳重注意)したと発表した。職員は、同庁へは「通知済み」と虚偽の報告をしていた。
厚生労働省は社会保障費抑制のため、政府管掌健康保険に対する国庫負担分8,400億円のうち2,200億円を削減し、その分を大企業の健保組合や公務員の共済組合に負担させる新制度の原案をまとめた。また、政管健保・健保組合・共済組合の一元化を検討することも明らかにした。
大阪労働局は過去に提出された「労働者死傷病報告」の分析を行い、製造現場における派遣労働者の労災事故が急増していることが明らかになった。派遣先で労災に遭った人は2006年に146人で、そのうち4割以上が製造業だった。厚生労働省は実態把握のため、派遣会社や業界団体に対して、労災を報告する際に被災者が派遣労働者かどうかの明記を徹底するように通知した。
厚生労働省は、「1日8時間」などに捉われず、労働者自身が労働時間を柔軟に設定することができる制度を導入した企業に対して、2008年度から新たに助成金を支給する方針を示した。助成額は1社あたり100万円前後で検討されている。
厚生労働省は、母子家庭の母親や子育てを終えた女性らの就職を支援するため、2008年度から無料の職業訓練制度を開始すると発表した。働きながら訓練を受けられる制度と専門学校などで学べる制度を設け、協力企業には1事業所500万円を上限に助成を行い、訓練生への賃金の一部も補助する方針。
厚生労働省は、メタボリック症候群の予防・改善を目的として2008年4月から実施される特定健診(40歳以上の保険加入者が対象)と保健指導にかかる健康保険組合のコスト負担増を和らげるため、補助金を支給することを明らかにした。健診や保健指導にかかるコストの3分の1を助成する方針。
社内での不正等の通報を受け付ける窓口や目安箱を設けるなど、「内部通報制度」を導入している中小企業(従業員数50人以下)は約13%にすぎず、大企業(同3,000人以上では約90%が導入)と比較して導入が進んでいないことが、内閣府の調査でわかった。