企業年金連合会は、10月より「通算企業年金」の予定利率を現行の0.5%
から1.75ポイント引き上げ、2.25%にする方針を決定。日銀のゼロ金利
政策解除などを受けた措置で、加入者が約7,500人と低迷している中、
制度の周知を徹底し加入者の拡大を図る。通算年金は、確定給付企業年
金や厚生年金基金の脱退者らの積立金の受け皿として昨年10月に発足した。
厚年基金などがある企業に再就職した際には積立金を引き継ぐこともできる。
厚生年金や政府管掌健康保険に未加入の適用対象事業所は、昨年度
末時点で6万3,539あることが、社会保険庁の調査で判明した。判明分以
外にも未加入事業所は数多くあるとみられる。同庁は今年度から従業員
15人以上の未加入事業所への立入り検査を強化。職権による強制加入
も行い、悪質な企業に対しては罰則の適用も検討するとしている。
東京都内の人材派遣業者や請負業者が、派遣先や発注元を偽った求人
をハローワークに出していたことが、東京労働局の調べでわかった。今年
3月からの調査だけで500件以上の不正求人が判明。今後は求人申込み
の際に、派遣・請負業者に対し派遣先や発注元との契約書を提出するよう
求めるなど、チェックを強化するとしている。
教育訓練給付金の不正受給が、1999年度の制度創設以降、計3,926件、
総額約6億3,000万円に上ることが、厚生労働省の調査により判明した。
大半のケースは受講者に謝礼を支払う代わりに給付金を回収する組織的
な不正受給。判明分はごく一部にすぎないとみられており、同省は、今後、
給付額の引下げを検討し、チェック体制の強化を図るとしている。
厚生労働省は「2005年度女性雇用管理基本調査」を発表。2004年11月〜
2005年10月の1年間において介護休業を取得した正社員など常用労働者
の割合は0.04%にとどまり、前回調査(2002年度・0.05%)から減少する結果
となった。一方、介護休業の規定を設ける従業員30人以上の事業所は、
前回調査(2002年度・73.2%)から増加して、81.4%となった。
政府は、社会保険労務士、税理士、司法書士の三士業について、労働者派遣を認める方針を示した。これまで、士業の労働者派遣は業務の専門性を守る必要性などから認められていなかったが、民間のニーズが高く、派遣を解禁しても差し支えないとの判断から規制緩和に踏み切った。弁護士については見送られた。これにより、社会保険労務士は、所属する組織から別組織に出向いて業務を行えるようになる。9月に開催予定の「構造改革特区推進本部」で正式決定し、今年度中に全国で実施される。
企業年金連合会(2005年10月に厚生年金基金連合会から名称変更)は、2005年度の決算結果を発表。国内外の株式運用が好調だったことなどから、資産運用利回りが過去最高の22.7%となったことがわかった。その結果、約1兆8,000億円の剰余金が発生し、2004年度末時点での積立不足(約5,400億円)が解消され、積立超過が約1兆3,000億円となった。
連合は、今年の春闘におけるパートの待遇改善に関する交渉結果を発表。平均21.3円の賃上げ要求に対し、平均11円の増額回答を引き出していたことがわかった。前年と比較して0.7円高い回答水準。連合では、非正規雇用社員の増加傾向を踏まえ、今年の春闘で初めて「パート共闘会議」を立ち上げており、引き続きパートの待遇改善に力を入れるとしている。
厚生労働省は「2005年雇用動向調査」を発表。昨年1年間の入職率(仕事に就いた人の働く人全体に占める割合)は17.4%、離職率(退職・転職で職を離れた人の割合)は17.5%となったことがわかった。景気回復に伴う就職者や転職者の増加で、入職率は前年比1.7ポイント増、離職率は同1.5ポイント増となり、ともにバブル期の1990年(入職率16.8%、離職率15.3%)を上回った。
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社保庁は、現在、加入者が国民年金保険料の納付記録の訂正を申請す
る場合に必要としている保険料の領収書について、今後はこれを不要とし、
預金通帳や企業在職記録などの納付状況がわかる資料があれば申請
できるようにする方針を示した。年金保険料の納付をめぐって加入者から
苦情が出ていることを受けて対応したもの。
厚労省は、パート社員を含む常用労働者5人以上の約13,800事業所を
対象に実施した「雇用動向調査」の結果を発表。女性で、2005年に就職
(転職を含む)した人は392万人、退職や転職によって離職した人は
388万人となり、12年ぶりに就職者数が離職者数を上回ったことがわか
った。景気回復や働き方の多様化により、好条件を求めての転職や働き
始める主婦が増えたことなどが要因とみられる。
厚労省は、2007年4月にスタートする離婚時等の年金分割制度において、
企業が運営する厚生年金基金が国の厚生年金に一部代行して運用・給付
を行っている「代行部分」についても、分割の対象とする方針を示した。
社保庁が厚生年金基金から年金の支給原資となる資産を徴収し、離婚し
た配偶者に直接年金を支給することになる。
社保庁は、派遣・請負労働者など非正規雇用社員の多くが社会保険に未
加入であるとして、厚生年金に加入する全事業所の4分の1に相当する約
40万事業所の実態調査に乗り出した。社保事務所を通じて非正社員の人
数や勤務実態を調べる。保険料負担を免れるための加入漏れが増加して
おり、請負業界全体の社会保険未加入者は10万人単位ともいわれている。
厚労省は、従業員5人以上の民間事業所(約1万事業所)を対象に実施した
「2005年度女性雇用管理基本調査」の結果を発表。男性の育児休業取得率
は、前年度調査より0.06ポイント低下し、0.5%となり、政府目標の10%には
ほど遠い低水準であることがわかった。女性の育休取得率は、前回より1.7
ポイント上昇し、72.3%となり、政府目標の80%に近付いている。