厚生労働省が2006年「毎月勤労統計調査」を発表し、2006年の1カ月平均の現金給与総額は33万5,522円(前年比0.2%増)だったことがわかった。物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比0.6%減で2年ぶりに減少。中小企業における賃金の伸び悩みや社員の若返りが影響したものとみられる。
労働政策審議会労働力需給制度部会は、労働者派遣法の改正に向けての議論の中で、現在の制度では禁止されている、派遣会社から人材を受け入れる際に企業が候補者を選択する「事前面接」の解禁を検討する方針を示した。また、現在原則3年となっている派遣期間の延長または撤廃や、建設や警備業務における派遣社員受け入れ解禁なども検討する。
厚生労働省が発表した2006年の有効求人倍率(年平均)が1.06倍となり、14年ぶりに1倍台を回復したことがわかった。また、総務省が発表した同年の完全失業率(年平均)は4.1%で、4年連続で低下した。
社会保険庁が2006年10月から始めた離婚時に年金分割した場合の年金額を通知するサービスで、開始から3カ月間で相談件数が約1万5,000件あったことがわかった。社会保険事務所に訪れた相談者の8割以上は女性で、2007年4月からの年金分割開始を前に、特に専業主婦らの関心が高いとみられる。
政府の経済財政諮問会議は、海外勤務者らの公的年金保険料の二重負担などを防ぐ「社会保障協定」の締結国を、2年程度で倍増する目標を設定する方針を示した。現在の締結国は7カ国(ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ)だが、海外に長期滞在する日本人の9割をカバーするなどの目標も掲げるとしている。
厚生労働省は、パート労働者への厚生年金適用拡大の対象者について、当初は20〜30万人程度に限定する方向で検討に入った。労働時間を現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」に拡大するが、別に勤続期間や月収などに関する基準を設け、対象を絞り込む。労働時間に関する基準だけを設けた場合、300万人程度が対象になると見込まれていた。
厚生労働省は、2006年平均の全国消費者物価指数が前年比0.3%の上昇にとどまったことなどから、2007年度の国民年金と厚生年金の給付額を据え置くことを発表した。国民年金の老齢基礎年金夫婦2人分は13万2,016円、厚生年金の夫婦2人分の基礎年金を含む標準的な年金額は23万2,592円。
厚生労働省は、新しい将来推計人口を用いて試算した厚生年金の給付水準を発表し、モデル世帯の年金額は現役世代の平均収入の47%〜51%になる見通しであることがわかった。政府は、2004年に行われた年金改革時に「現役世代の5割以上の年金給付を維持する」としていた。
財務省は、2007年度の国民負担率(国民所得に占める税負担と社会保障負担の合計の割合)が過去最高の39.7%に達する見通しであると発表した。定率減税の廃止や社会保険料の増加、景気回復に伴う法人税収の増加などが主な要因。
世界全体の失業者数が、2006年末時点で約1億9,520万人となり、過去最多を記録したことが国際労働機関(ILO)の発表で明らかになった。失業率は前年から0.1ポイント改善して6.3%となった。ILOでは「世界各地の経済成長が雇用情勢の改善につながっていない」とし、2007年も同様の水準で推移するとみている。
厚生労働省は、今通常国会に提出予定の最低賃金法改正案で、最低賃金額を支払わない企業に対する罰金(労働者1人当たり)を、現行の「2万円以下」から「50万円以下」に引き上げる方針を示した。働いても生活保護以下の収入しかない労働者(ワーキングプア)の生活の底上げを図るねらい。
厚生労働省は、企業型確定拠出年金の掛金を引き出せる条件を緩和する方針を示した。3つの条件(1.加入期間が3年以下か積立金残高25万円以下、2.退職後2年以上は拠出金を払わず運用のみ続けること、3.2年間の運用期間を終えて2年以内)を満たせば、積立金を一時金として受け取ることができるようにする。また、掛金を拠出できる年齢を現行の「60歳まで」から「65歳まで」に延長する方針も示した。
与党は、厚生労働省が通常国会に提出予定の改正雇用対策法案に、求人時の年齢制限について、原則禁止を義務付ける規定を盛り込む方針を固めた。現在は、年齢制限をしないよう企業に努力義務を課している。年長フリーターなどの若年層の雇用機会を増やすのが狙い。
2006年の全国の倒産件数(負債総額1,000万円以上)が1万3,245件(前年比1.9%増)となり、5年ぶりに増加したことが、東京商工リサーチの調べで分かった。宿泊業や建設業、小売業などの倒産が目立ち、また、全体の約6割が従業員5人未満の小企業だった。
2005年度に民間職業紹介所が扱った、正社員など期間の定めのない労働者の求人数は245万7,760人(前年度比34.6%増)となり、大幅に増加したことが厚生労働省の調べでわかった。景気回復で企業の採用意欲が高まったことが影響したとみられる。また、新規求職の申込件数は前年度から9.3%増加して178万2,979人となった。