厚生労働省は、景気後退の影響によるリストラなどを防止するため、企業の従業員の休業手当の一部を支給する「雇用調整助成金」について、助成率を現在の2分の1(中小企業は3分の2)から3分の2(同5分の4)に引き上げる方針を示した。支給限度日数も3年間で150日から200日(同300日)とする。
厚生労働省の社会保障審議会年金部会は、年金制度改革に向けた検討項目を示し、パート労働者や低所得者への一定水準の保障、高所得者の保険料引上げ、育児期間中の保険料免除の拡充などを挙げた。
厚生労働省は、低所得により国民年金保険料の支払いが全額免除されるにもかかわらず、申請を行っていないために免除を受けていない加入者が約300万人いるとする推計結果を発表した。同省では、免除の申請がなくても職権により免除可能とする制度の創設を検討するとしている。
社会保険庁が10月末までに年金受給者と加入者(約1億人)に送付した「ねんきん特別便」について、転居による宛先不明や企業経由の送付ミスなどにより、約171万通が本人に届いていないことが明らかになった。
政府・与党は、2009年4月からの基礎年金の国庫負担割合を50%(2分の1)に引き上げる財源として、財政投融資特別会計の金利変動準備金の剰余金(いわゆる「埋蔵金」)を充てる方針を明らかにした。来年の通常国会に関連法案を提出の予定。
厚生労働省が「就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果を発表し、民間企業で働く労働者に占める非正社員(パート社員・契約社員・派遣労働者など)の割合が、2007年10月1日時点で37.8%(2003年の前回調査比3.2ポイント増)となったことがわかった。派遣労働者の割合は2.0%から4.7%に大幅に増加した。
民間調査機関6社による今冬の民間企業の賞与予測(厚生労働省の「毎月勤労統計調査」に基づいて従業員5人以上の事業所の支給額を予測)が出揃い、従業員1人あたりの平均支給額は40万5,378円(昨冬比2.9%減)と、2年続けて前年割れとなる見通しが明らかになった。
日本経団連は、経営側の指針としてまとめた「経営労働政策委員会報告」に「減益傾向が強まる中、賃上げよりも雇用維持を重視する企業も少なくない」と明記し、2009年の春季労使交渉においては、雇用の確保を重視する方針を明らかにした。
厚生労働省は、後期高齢者医療制度における低所得者への軽減措置を反映させた後の保険料が全国平均で1人あたり年間約6万5,000円となり、軽減措置により約9%減少したと発表した。
バイク便大手「ソクハイ」の元自転車便スタッフの男性(31歳)が、個人事業主として運送請負契約を締結して業務を行っていたが、自由裁量がないなど実態は正社員と変わらなかったとして、同社を相手に正社員としての地位確認と約360万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したことがわかった。
政府は、日雇い派遣の原則禁止などを柱とした労働者派遣法の改正案を国会(衆議院)に提出した。派遣労働者の7割を占める登録型派遣の規制については見送られた。衆議院解散・総選挙の先送りにより野党は政府・与党への対決姿勢を強めており、今国会で成立するかは不透明。
社会保険庁の職員が無許可で違法な労働組合活動に携わっていた「ヤミ専従」について、厚生労働大臣直属の調査委員会は「国に損害を与えており背任罪に相当する」との見解を示した。また、同委員会の調査で新たに4人がヤミ専従を行っていたことが判明し、合計で34人となった。舛添厚生労働大臣は、本人と責任者ら約20人を刑事告発する方針。
政府・与党は、親が分娩費用を直接病院に支払わなくても公的負担で出産できる制度を導入する方針を固めた。現在は出産後に親に支給される「出産育児一時金」を、健康保険組合などが直接医療機関に支払うように仕組みを改める。来年の通常国会に関連法案を提出し、来夏以降に実施の予定。
厚生労働省は、障害者の就労促進を目的として、中小企業(従業員56人以上300人以下)が初めて障害者を雇用する場合に奨励金を支給する制度を創設する方針を示した。一企業あたり数十万円〜100万円程度支給する模様で、早ければ今年度中にも実施の予定。
2009年度の介護保険料について全国平均で1人あたり月150〜200円程度(3〜5%程度)の引き上げられる見通しが明らかになった。介護報酬の改定に伴い、本来であれば来年度から月300円程度上昇する計算だが、政府が示した追加経済対策で保険料の一部を肩代わりするため、引上げ幅が抑えられた。