紹介予定派遣制度(派遣社員として一定期間働いた後に条件が合致すれば派遣先企業が直接雇用する制度)を利用して正社員などに採用された人の数は2005年度に1万9,780人(前年度比85.6%増)となり、大幅に増加したことが厚生労働省の調べでわかった。
日本経団連が会員企業1,338社(有効回答602社)を対象に行った調査で、2006年度に大卒などの新卒者(2007年春入社)を採用した企業は94.4%で、このうち採用人数を増やした企業の割合は前年度比1.5ポイント増の55.4%に上ることがわかった。
政府は、民間企業が導入する在宅勤務(テレワーク)関連システムの固定資産税を2007年度から軽減する方針を示した。就業規則に在宅勤務制度を明記するなど一定の条件の下、システム導入後5年間は固定資産税を3分の2に引き下げる。政府は、2005年の推計で約674万人いる在宅勤務者を2010年までに倍増したい考え。
東芝の男性社員が、ユニオンショップ協定を締結した東芝労働組合と同社を相手に労組脱退などを求めていた訴訟の上告審判決で、最高裁は、男性と同社が結んでいた「脱退しない」との合意について、「労組脱退の自由を奪うもので、公序良俗に反し無効」とし、男性敗訴の二審判決を破棄し、脱退を認める判決を下した。男性は、同労組を脱退して別労組に加入後、会社が解決金を支払うことで脱退を撤回する合意をしたが、再度脱退を要求していた。
厚生労働省は今後の労働力人口の試算結果を発表し、女性や高齢者の雇用状況が現状のまま推移した場合に、2050年の労働力人口は現在の約3分の2(約4,160万人)になる可能性があることがわかった。同省がまとめた新しい将来推計人口などを用いて試算したもの。ただし、育児支援制度の充実や定年延長の促進などにより女性や高齢者の雇用が改善した場合は約4,520万人になる可能性もあるとしている。
厚生労働省が2006年「毎月勤労統計調査」を発表し、2006年の1カ月平均の現金給与総額は33万5,522円(前年比0.2%増)だったことがわかった。物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比0.6%減で2年ぶりに減少。中小企業における賃金の伸び悩みや社員の若返りが影響したものとみられる。
労働政策審議会労働力需給制度部会は、労働者派遣法の改正に向けての議論の中で、現在の制度では禁止されている、派遣会社から人材を受け入れる際に企業が候補者を選択する「事前面接」の解禁を検討する方針を示した。また、現在原則3年となっている派遣期間の延長または撤廃や、建設や警備業務における派遣社員受け入れ解禁なども検討する。
厚生労働省が発表した2006年の有効求人倍率(年平均)が1.06倍となり、14年ぶりに1倍台を回復したことがわかった。また、総務省が発表した同年の完全失業率(年平均)は4.1%で、4年連続で低下した。
政府の経済財政諮問会議は、海外勤務者らの公的年金保険料の二重負担などを防ぐ「社会保障協定」の締結国を、2年程度で倍増する目標を設定する方針を示した。現在の締結国は7カ国(ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ)だが、海外に長期滞在する日本人の9割をカバーするなどの目標も掲げるとしている。
財務省は、2007年度の国民負担率(国民所得に占める税負担と社会保障負担の合計の割合)が過去最高の39.7%に達する見通しであると発表した。定率減税の廃止や社会保険料の増加、景気回復に伴う法人税収の増加などが主な要因。
世界全体の失業者数が、2006年末時点で約1億9,520万人となり、過去最多を記録したことが国際労働機関(ILO)の発表で明らかになった。失業率は前年から0.1ポイント改善して6.3%となった。ILOでは「世界各地の経済成長が雇用情勢の改善につながっていない」とし、2007年も同様の水準で推移するとみている。
厚生労働省は、今通常国会に提出予定の最低賃金法改正案で、最低賃金額を支払わない企業に対する罰金(労働者1人当たり)を、現行の「2万円以下」から「50万円以下」に引き上げる方針を示した。働いても生活保護以下の収入しかない労働者(ワーキングプア)の生活の底上げを図るねらい。
与党は、厚生労働省が通常国会に提出予定の改正雇用対策法案に、求人時の年齢制限について、原則禁止を義務付ける規定を盛り込む方針を固めた。現在は、年齢制限をしないよう企業に努力義務を課している。年長フリーターなどの若年層の雇用機会を増やすのが狙い。
2005年度に民間職業紹介所が扱った、正社員など期間の定めのない労働者の求人数は245万7,760人(前年度比34.6%増)となり、大幅に増加したことが厚生労働省の調べでわかった。景気回復で企業の採用意欲が高まったことが影響したとみられる。また、新規求職の申込件数は前年度から9.3%増加して178万2,979人となった。
少子化対策などの効果が上がり、結婚や出産に関する国民の希望がすべて満たされた場合に、出生率が2040年に最高で1.75(昨年の推計では1.25)まで回復するとする試算を、厚生労働省は発表した。