厚生労働省は、十分な職務権限を持たないのに管理職とみなされて残業代が支払われない「名ばかり管理職」に関して、企業に適切な監督指導を行うよう、全国の労働局に対して一斉に通達を出したと発表した。同通達では監督の徹底を求めている。
卒業後の外国人留学生を過去3年間にフルタイム社員として採用したことのある企業の割合が9.6%だったことが、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が行った調査でわかった。従業員300人以上の企業では36.3%だった。採用の理由は上から順に「国籍に関係なく優秀な人材を確保」「職務上の外国語の必要性」「事業の国際化」だった。
フリーターの正社員採用について、過去1年間にフリーターを正社員として採用した企業の担当者が採用面接で最も重視したポイントは「熱意・意欲」であることが、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査でわかった。また、フリーター経験を「マイナスに評価する」とした企業が40%に上るなど、フリーターの就職は厳しい状況であることも明らかになった.
終身雇用を支持する人の割合が81.6%であることが、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が行った調査で明らかになった。前回調査時(2004年)より8.1ポイント増加し、年功賃金を支持する人も5.2ポイント増の71.9%となった。調査は昨年9〜10月に20歳以上の4,000人に実施し、回答率は58%だった。
キヤノンは、子会社を含めた工場などの製造現場で働く派遣社員(約1万2,000人)の受入れを年内にも全面的に打ち切り、半数を直接雇用の期間社員、残りの半数を請負会社との契約に切り替えることを明らかにした。同社は「偽装請負」があるとして労働局などから指導を受けて、派遣契約への切替えを順次すすめていたが、直接雇用と請負とに再編する方針としている。
厚生労働省は、2007年の「賃金構造基本統計調査」を発表し、正社員の基本給に相当する所定内給与が31万8,200円(昨年6月時点、前年同期比0.2%減)となったことがわかった。非正社員の基本給は19万2,900円(同1.0%増)で、正社員の約61%にとどまっている。
名古屋地裁が、工場で業務引継ぎ簿の記入中に倒れて死亡したトヨタ自動車社員の事案で、品質管理(QC)サークル活動を業務と認めて過労死を認定したことを受け、豊田労働基準監督署は、残業時間を計算し直し、遺族に対する遺族補償年金と葬祭料の支払いを決定したことがわかった。遺族側弁護士は、同社に賃金規程の見直しを求めていくとしている。
社会保険庁は、2007年4月から12月までの自己都合による退職者が、2004年度の2倍以上の450人に達したことを明らかにした。2010年の新組織移行時に再就職できない職員が出ることなどが影響しているとみられている。同庁定員(1万6,822人)の約5%が欠員となり、業務停滞への影響が懸念される。
厚生労働省は、2月の労働経済動向調査を発表し、今年の4月に大卒者を採用する企業の割合は文系(42%)・理系(39%)ともに前年を上回ったことが明らかになった。高卒者を採用する企業も前年比6ポイント増の43%と5年連続で増加するなど、短大卒者も含めすべての学歴について採用する企業の割合が増加した。
大阪労働局は、近畿大学が2007年1月から半年間にわたって事務職員の残業代不払い(総額約1億円)を続けていたとして、同大学と元人事部長を労働基準法違反容疑で書類送検した。不払いは元部長の独断によるものだったとされているが、同大学が2003年にも是正勧告を受けていることから刑事責任を問うべきだと判断し、法人にも罰則を科す両罰規定を適用したもの。
新入社員の「質」について日本生命保険が企業に実施したアンケート結果が発表され、新入社員の質が「低下」していると感じている企業(42.6%)は「向上している」と感じている企業(42.5%)とほぼ同じ割合だった。しかし、従業員300人以下の中小企業では「低下」(44.2%)が「向上」(37.7%)を上回った。
日本マクドナルドが店長を管理職として扱って残業代を支払っていない問題で、元店長の3人が残業代の支払いを求めて東京地裁へ提訴することが明らかになった。さらに別の元店長数人も訴訟を検討中で、同様の動きが広がれば約1,700人の店長を抱える同社の経営に大きく影響を与える可能性がある。
残業代不払いの疑いで是正勧告を受けて調査に乗り出していたスポーツ用品大手のミズノは、社員約2,000人に対する残業代の不払いが過去2年間で合計18億6,000万円あったと発表。同社では「労働時間改善委員会」を設置して勤務時間を適正に把握する体制を整えるほか、不払い分の残業代を3月の給与振込み時に一括で支払うとしている。
厚生労働省は、現在576カ所ある公共職業安定所(ハローワーク)のうち26カ所について、2008年度中に廃止する方針を明らかにした。内訳は安定所が8カ所、出張所・分室が18カ所で、職員の定員も減らす。また、16カ所の安定所を出張所に格下げする。すでに2005〜2007年度で32カ所を廃止している。
日雇い派遣労働者から「データ装備費」として長年にわたって違法な天引きを行っていた分の給料の返還を進めている日雇い派遣大手のグッドウィル・グループで、実際に返還されたのは対象者100万人中14万人(合計43億円のうち23億円)にとどまっていることが明らかとなった。同社は厚生労働省からの指導を受け、今後返還を徹底するとしている。