政府・与党は、社会保険庁を解体して3分割する方針を固めた。保険料未納者等に対する強制徴収部門は国に残し、保険料の納付記録管理など一部の業務は非公務員型の公法人に移管、その他通常の保険料徴収などの業務を民間に委託する。
厚生労働省が「人口動態統計速報」を発表。9月の出生数が9万4,926人(前年同期比4人減)となり、7カ月連続で増加していた出生数が減少したことがわかった。1〜9月までの出生数の合計は2005年を1万7,000人程度上回っており、通年では前年を上回る見通し。
厚生労働省は、30都道府県114ヵ所のハローワークで独立行政法人雇用・能力開発機構や財団法人高年齢雇用開発協会などの職員に求人相談の受付やシステム入力などの業務をさせていたことを発表。ハローワークと他団体職員との間には雇用関係がなく労働者派遣法に違反するとして、同省は、業務を行わないよう是正させるとともに、関係者を処分する方針。
厚生労働省は、都道府県労働局における不正経理問題に関連して全47労働局と本省の職員計1,432人の処分を発表。国費の私的流用があったとして120人を懲戒処分とし、残りの1,312人については訓告処分や口頭厳重注意処分などとした。広島や兵庫の労働局での不正経理問題が発端となった一連の問題の処分者は、これで延べ2,524人となった。
来春卒業予定の大学生の就職内定率が68.1%(前年同期比2.3ポイント増、10月1日現在)となり、3年連続で前年を上回ったことが厚生労働省と文部科学省の調査でわかった。1997年の調査開始以来3番目の高水準。内定率は男子が69.6%(前年同期比1.5ポイント増)、女子が66.4%(前年同期比3.5ポイント増)だった。また、高校生の内定率も9月末現在で48.4%となり、昨年同期を4.4ポイント上回った。
厚生労働省は、2005年の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子供の数の推計値)が、「1.26」で確定する見通しであると発表した。2004年の1.29を下回り、過去最低を更新する。同省は、12月中にも確定値を公表する。
厚労省は、仕事でケガをしたにもかかわらず労災の届出を行わずに健康保険で受診した労働者の情報を社会保険庁から提供してもらい、事業所の調査に活用する方針を固めた。事業主が労災保険でなく健康保険での受診を労働者に強要して事故を隠そうとする「労災隠し」を監視するのが狙い。
2006年春に大学を卒業してフリーター・ニートになった人が9万9,000人となり、ピーク時(2003年の14万8,000人)の約3分の2になったことが文科省が行った「学校基本調査」でわかった。企業が新卒の積極採用に乗り出したことが大きな要因とみられ、大卒者以外も含めた新規フリーター・ニートの総数もピーク時の約3分の2になった。
厚生労働省は、アスベスト被害者救済法(石綿新法)施行からの半年間で、労災の時効(5年)を過ぎた労働者の遺族を対象にした「特別委族給付金」(年額240万円の年金か1,200万円の一時金を選択)支給決定が、632件に達したと発表した。内訳は、中皮種452件、肺ガン154件、石綿肺26件。請求件数は3月20日から9月末までで1,334件あった。
財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)は、雇用保険財源の約4分の1を占めている国庫負担を全廃すべきだとの考えを示した。保険料の積立金残高が3兆3,800億円であるなど財政が健全であり、労使による拠出だけで十分に賄えると判断したもの。11月下旬にまとめる来年度予算編成に向けた建議に全廃の方針を明記するとしている。
総務省が労働力調査を発表し、9月の完全失業率(季節調整値)が前月から0.1ポイント悪化して4.2%となったことがわかった。女性の失業率が0.2ポイント悪化したことが影響した。また、厚生労働省が発表した有効求人倍率は前月と同じ1.08倍だった。
厚生労働省は、自己都合で退職した人が失業手当を受給するのに必要な保険料納付期間を、現在の6カ月から最低でも12カ月に延長する方針を示した。同省の調査によると、過去3年間で失業手当を複数回受給した人は約19万人(受給者全体の3.4%)に上っており、頻繁な受給を抑制したい考え。来年の通常国会に雇用保険法改正案を提出する方針。
日本、米国、欧州連合などの先進24カ国で、進学も就職もしない「ニート」と呼ばれる若年層(15〜24歳)の比率が2005年は13.4%に達したことが、国際労働機関(ILO)が公表した雇用情勢報告でわかった。また、先進国における若年失業者数は約8,500万人で失業率は13.5%に達し、労働人口全体の失業率6.4%の2倍以上であることも判明した。
2004年度に支払われた年金、医療、介護などの社会保障給付費の総額が85兆6,469億円(前年度比1.6%増)で過去最高となったことが国立社会保障・人口問題研究所の調べでわかった。国民1人当たりの給付費も67万800円(同1.6%増)で過去最高だった。給付費のうち、高齢者関係が60兆6,537億円で全体の70.8%を占めた。
政府・与党は、継続審議となっていた社会保険庁改革関連法案を今国会で廃案とし、抜本的な改革を行う方針を示した。現在の組織を行政組織から分離して、年金給付や保険料徴収の業務を行う「非公務員型」の新法人に移行することを柱とする新法案を来年の通常国会に提出する方向で調整する。新法人では民間手法を導入して業務の効率化を進めるが、保険料の強制徴収などについては国の関与を一定程度残すとしている。