厚生労働省の有識者会議が、通帳と同形式の画面をインターネット上に載せて、自分の年金記録が閲覧できる「e−年金通帳」(仮称)の導入を提唱した報告書をまとめたことがわかった。同省では、「年金加入者が年金記録を簡単に確認できる方法」として2013年度の導入を目指すとしている。
2012年度の年金額が0.2〜0.3%減額される見込みであることが明らかになった。今年の消費者物価指数がマイナスになりそうなため。
野田首相は、2013年の通常国会に、民主党のマニフェストである年金制度の抜本改革関連法案の提出を目指す考えを明らかにした。同マニフェストでは、国民年金、厚生年金、共済年金を一元化し、最低保証年金(月額7万円)を創設することなどを明記している。
小宮山厚生労働大臣は、国民年金・厚生年金の支給額について、2012年度から段階的に引き下げる方針を示した。1999〜2001年の物価下落時に支給額を引き下げず、本来よりも2.5%高い「特例水準」を維持していたが、これを本来の水準に戻すもの。
民主党の年金作業チームは、「社会保障・税一体改革」に伴う年金改革に関する中間報告をまとめ、厚生年金の支給開始年齢を68〜70歳に引き上げる案の実施を見送る方針を明らかにした。
政府は、専業主婦の国民年金切替え問題に対応した国民年金法改正案について閣議決定を行った。切替え忘れに伴う保険料未納期間のうち過去10年間に限定して追納を認める(3年間の時限措置)等の内容。今国会での成立を目指すとしているが、自民・公明両党は反発しており、成立は微妙な情勢。
民主党の前原政調会長は、2009年の総選挙でマニフェストに掲げていた年金改革法案(年金一元化、最低保障年金の導入等)について「2013年に法案を出す目的で作業を進めていく」と述べた。月額7万円の最低保障年金を導入した場合の消費税率については「詰めていかなければならない」と発言した。
厚生労働省は、民主党が政権公約で掲げていた「年金通帳」について、実際の通帳は配布せず、インターネット上で加入記録や保険料の納付実績を確認できるシステムとする代替案を示した。日本年金機構の「ねんきんネット」内に通帳に見立てた画面を表示させるもので、早ければ2013年度から導入する考え。
小宮山厚生労働大臣は、厚生年金と共済年金を一本化する「被用者年金一元化法案」(仮称)について、2012年の通常国会に提出したい考えを示した。
日本年金機構は、インターネット上で年金の加入記録などを確認することのできる「ねんきんネット」について、年金見込額の試算ができる新サービスを開始した。
〔関連リンク〕
「ねんきんネット」サービス
http://www.nenkin.go.jp/n_net/
政府は、専業主婦の年金問題に関して、本来の受給額よりも多く年金をもらっていた人に対して、過払い分の返還請求を行わない方針を明らかにした。厚生労働省の案では「過去5年分について返還を求める」としていたが、民主党内などから反対意見が出ていた。
厚生労働省は、厚生年金保険料の免除制度の適用について、育児休業中だけでなく産前・産後休業中の女性会社員にも拡大する見直し案を明らかにした。来年の通常国会に関連法案の提出を目指すとしている。
厚生労働省は、厚生年金に関して、標準報酬月額の上限引上げを検討していることを明らかにした。パート労働者などへの厚生年金適用拡大を実施した場合の財源確保が目的。現在の上限の「62万円」(月収60万5,000円以上)を、健康保険と同様の「121万円」(同117万5,000円以上)とする案が出ている。
日本年金機構が民間に委託している国民年金保険料の督促業務について、電話や訪問で督促した件数が当初計画の約4割しかこなせていないことが、会計検査院の調査で明らかになった。納付実績については、目標を達成した事務所はわずか0.9%だった。同機構では「開始直前の契約だったため人員が集まらなかった」と釈明している。
厚生労働省は、専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題に関して、対応策を盛り込んだ国民年金法の改正骨子案を民主党に提示した。本来受給すべき年金額よりも多く受け取っていた人は、支給額が減額され、過去5年分の差額については返還が求められる内容。対象者は、受給者が約5万3,000人、現役世代は約42万2,000人と見込まれている。